ろれつが回らない・言葉が出ない|すぐ受診すべき脳のサイン
家族と話していたら、急に言葉がもつれて、うまく話せなくなった。言いたい言葉が、のどまで出かかっているのに出てこない。相手の話が、外国語のように頭に入ってこない。——もし今、そんな症状が起こっていたら、このページを読むより先に、救急車(119番)を呼んでください。
突然の話しにくさは、脳梗塞(のうこうそく)や脳出血など、脳の病気のサインである可能性が高い症状です。数分で治っても油断はできません。このコラムでは、なぜ「様子を見る」ことが危険なのか、どう対応すべきかをお伝えします。
この記事のポイント
- 突然のろれつの回りにくさ・言葉の出にくさは、脳梗塞・脳出血の代表的なサインです。続いていれば救急車を
- 数分〜1時間ほどで治っても、一過性脳虚血発作(TIA)という脳梗塞の前ぶれの可能性があります。治ってもすぐに受診してください
- 「ろれつが回らない(構音障害)」と「言葉が出ない・理解できない(失語)」は、どちらも脳のサインです
まず確認:一つでもあれば救急車を
次の症状が今起こっている場合は、ためらわず救急車(119番)を呼んでください。
- ろれつが回らない、ことばがもつれる
- 言いたい言葉が出てこない、意味の通らないことを話す
- 相手の言うことが理解できない
- あわせて、顔の片側のゆがみ・片方の手足の力の入りにくさやしびれがある
- 激しい頭痛・めまい・意識のもうろうをともなう
覚えやすい合言葉が「FAST(ファスト)」です。Face(顔のゆがみ)、Arm(腕に力が入らない)、Speech(言葉の障害)のどれか一つでもあれば、Time(発症時刻を確認して、すぐに救急車)。脳梗塞の治療(血のかたまりを溶かす薬や、カテーテルで取り除く治療)は、発症からの時間で受けられるかどうかが決まるからです。
救急隊を待つあいだにできること
- 症状に気づいた時刻と、「最後に普段どおりだった時刻」をメモする
- 飲んでいる薬やお薬手帳を用意する
- 食べ物や飲み物は与えない(のどに詰まらせる危険があります)
- ご自身や周囲の方が車を運転して病院へ向かわない
話しにくさの原因には、どんなものがあるの?
| 原因 | 起こり方・特徴 | 対処の方向性 |
|---|---|---|
| 脳梗塞・脳出血(危険) | 突然のろれつ障害・言葉の障害。顔のゆがみや手足の症状をともなうことが多い | ためらわず救急車 |
| 一過性脳虚血発作(TIA) | 突然起こり、数分〜1時間ほどで消える | 治ってもすぐに受診(脳梗塞の前ぶれ) |
| 脳腫瘍・慢性硬膜下血腫など | 数週間〜数か月かけて、ゆっくり言葉が出にくくなる | 早めにMRI検査を |
| 低血糖 | 糖尿病の薬を使っている方で、冷や汗・ふるえとともにろれつが回らなくなる | 糖分をとって改善しなければ救急車。脳梗塞と区別が必要 |
| 片頭痛の前兆・てんかん発作の後 | 数十分以内に治まり、頭痛やけいれんをともなうことがある | 診察で区別を。初めての場合は脳の検査を優先 |
| その他(薬・アルコール・強い疲労など) | 状況により一時的にろれつが回りにくくなることがある | 繰り返す場合や不安な場合は受診を |
※「声がかすれる」「口内炎などで話しにくい」といった、のど・口の問題とは区別が必要です。判断に迷うときは受診してください。
「ろれつが回らない」と「言葉が出ない」は、どう違うの?
ろれつが回らない(構音障害〔こうおんしょうがい〕)は、言葉は頭に浮かんでいるのに、舌や口がうまく動かず発音がもつれる状態です。酔ったときのような話し方になります。
言葉が出ない・理解できない(失語〔しつご〕)は、言葉そのものをつかさどる脳の領域の障害で、話す・聞く・読む・書くに影響が出ます。ご本人は意識がはっきりしていて、言いたいことはわかっているのに言葉にならず、とてももどかしい状態です。
どちらも脳の障害のサインであることに変わりはなく、突然起こった場合の対応は同じです。すぐに受診してください。
関連する病気のくわしい解説
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病院ではどんな検査をするの?
診療では、症状の起こり方と経過をうかがい、話し方・言葉の理解・復唱(言われた言葉を繰り返す)などの診察と、手足の力や感覚などの神経の診察を行います。脳梗塞や脳出血が疑われる場合は、MRI・MRA(脳の血管を映す検査)で脳と血管の状態を確認します。
症状が続いている急性期の脳梗塞・脳出血は緊急の治療が必要なため、当院ではなく脳血管の治療ができる病院へ救急車で向かってください。診察の結果、緊急性が判明した場合は、連携する医療機関へ速やかにご紹介します。
症状が治まっている場合でも、TIAが疑われるときは、本格的な脳梗塞を防ぐための検査と治療を急ぐ必要があります。当院では、MRI・MRA検査で脳と血管の状態を確認し、必要に応じて血液をさらさらにする薬の開始や、入院設備のある病院へのご紹介など、再発予防のための対応を行います。夜間・休日に症状が起こった場合は、当院の診療を待たず、救急外来を受診してください。
受診の目安
- すぐに119番
- ろれつが回らない・言葉が出ない・理解できない症状が、今も続いている
- 顔のゆがみ・手足の脱力・激しい頭痛・意識のもうろうをともなう
- できるだけ早く(その日のうちに)受診
- 話しにくさが数分〜1時間ほどで治まった(TIAの疑い。夜間・休日なら救急外来へ)
- 近いうちに当院へご相談
- ここ数週間、言葉の出にくさが少しずつ気になってきた
- 以前、一時的な話しにくさがあったが受診していない
- 高血圧・糖尿病・不整脈(心房細動)があり、脳梗塞が心配
よくあるご質問
少し様子を見てから受診してもよいですか?
いいえ。この症状に限っては、様子を見ることがもっとも危険です。脳梗塞の治療は発症からの時間で選択肢が変わります。症状が続いていれば救急車を、治まっていても、その日のうちに受診してください。
数分で治りました。もう大丈夫でしょうか?
大丈夫とは言えません。一過性脳虚血発作(TIA)の可能性があり、特に発症から2日以内に本格的な脳梗塞を起こす危険が高いことが知られています。早く治療を始めることでその危険を大きく減らせることが研究で示されていますので、治っても必ずその日のうちに受診してください。
疲れているときに言葉が出にくいのは病気ですか?
強い疲労や睡眠不足で一時的に言葉が出にくく感じることはあります。ポイントは「突然」「明らかにいつもと違う」「周囲の人が気づくほど」かどうかです。繰り返す場合や不安がある場合は、一度検査を受けておくとよいでしょう。
救急車を呼ぶか迷ったときは、どうすればよいですか?
救急安心センター事業「#7119」で受診の緊急度を相談できます(地域により実施状況が異なります)。ただし、FAST(顔のゆがみ・腕の脱力・言葉の障害)のどれかが今ある場合は、迷わず119番してください。
おわりに――この症状だけは、待たないでください
「疲れているだけかもしれない」「明日になれば治るかもしれない」。その気持ちはよくわかります。しかし、言葉の症状は脳からのSOSです。脳梗塞の治療は時間との勝負であり、対応が早いほど、後遺症を少なくできる可能性が高まります。
次のような方は、当院へご相談ください。
- 一時的な話しにくさを経験したが、受診していない
- 高血圧・糖尿病・不整脈があり、脳梗塞が不安
- 家族が脳卒中になったことがある
- 一度、MRIで脳と血管の状態を確認しておきたい
参考文献
- 総務省消防庁「救急安心センター事業(#7119)ってナニ?」 https://www.fdma.go.jp/mission/enrichment/appropriate/appropriate007.html
気になる症状は、お近くのクリニックへご相談ください
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赤坂
菅原クリニック 東京脳ドック
- 住所
- 東京都港区赤坂5-2-20 赤坂パークビル2F
- アクセス
- 千代田線 赤坂駅より徒歩5分
- 診療時間
- 月〜土 9:00〜17:00(日・祝休診)
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菅原脳神経外科クリニック
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- 月〜土 9:00〜12:30/14:00〜17:00(日・祝休診)









