頭が痛い|頭痛の種類と危険な頭痛の見分け方

公開日 監修:理事長 菅原 道仁(脳神経外科専門医)

「頭が痛い」――多くの方が経験する、とても身近な症状です。そのため「いつものことだから」と我慢したり、市販の痛み止めでその場をしのいだりしている方も多いのではないでしょうか。

けれども、ひとくちに頭痛と言っても、原因も対処法も異なるいくつもの種類があります。中には対処法が正反対のものもあり、また、ごくまれに命に関わる病気のサインであることもあります。

このコラムでは、頭痛の主な種類と、「すぐに受診すべき危険な頭痛」の見分け方を、わかりやすくお伝えします。

この記事のポイント

  • 頭痛の大半は「緊張型頭痛」と「片頭痛」です。この2つは対処法が反対になることがあります
  • 「突然の激しい頭痛」「今までで最悪の頭痛」は、くも膜下出血など危険な頭痛のサインです。ためらわず救急要請を
  • 自己判断で市販薬を飲み続けると、かえって頭痛が増えることがあります。まずは、ご自身の頭痛のタイプを知ることが第一歩です

まず確認:すぐに受診すべき「危険な頭痛」のサイン

頭痛のほとんどは命に関わるものではありません。ただし、次のような頭痛は、脳や血管の病気が原因の可能性があります。様子を見ずに、すぐに医療機関を受診してください。激しい場合や、意識がおかしい場合は救急車を呼んでください。

  • 突然の、経験したことのない激しい頭痛(「バットで殴られたよう」「雷が落ちたよう」と表現される、数秒〜数分でピークに達する痛み)
  • 手足のしびれや力が入らない、ろれつが回らない、言葉が出ない、ものが二重に見えるなどを伴う頭痛
  • 発熱と首の硬さ(あごを胸につけようとすると首が曲げにくい・痛い)を伴う頭痛
  • 意識がもうろうとする、けいれんを起こした
  • 頭を打ったあとの頭痛(数週間〜数か月たってから出てくる頭痛も含みます。特に高齢の方や、血液をさらさらにする薬を飲んでいる方は注意)
  • だんだん悪化してくる頭痛、または50歳を過ぎて初めて起こった頭痛
  • 目の痛みや急な視力の低下を伴う頭痛
  • がんの治療中、免疫が下がる病気や薬を使っている方、妊娠中・出産後の方に起きた、いつもと違う頭痛

頭痛には「一次性」と「二次性」がある

頭痛は大きく2つに分けられます。

一次性頭痛(いちじせいずつう)

頭痛そのものが病気であるタイプです。命に関わることはありませんが、繰り返し起こり、生活に大きな影響を与えます。緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛などがあり、頭痛で受診される方の大半はこちらです。日本の全国調査では、15歳以上の約22%に緊張型頭痛、約8%に片頭痛があると報告されています。

二次性頭痛(にじせいずつう)

別の病気が原因で起こる頭痛です。くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍、髄膜炎、慢性硬膜下血腫(頭を打ったあと、じわじわと脳の表面に血がたまる病気)など、脳や血管の病気によるもののほか、副鼻腔炎(蓄膿症)、緑内障、高血圧、薬の副作用などが原因になることもあります。上に挙げた「危険なサイン」は、主にこの二次性頭痛を見逃さないためのものです。

頭痛のタイプ比較表

タイプ 痛み方 場所 特徴・随伴症状 対処の方向性
緊張型頭痛 ギューっと締め付けられる持続的な痛み 頭全体 肩こり・首こりを伴う。夕方に悪化しやすい 温める・動かす・ストレッチで改善傾向
片頭痛 ズキンズキンと脈打つ強い痛み こめかみ付近(片側が多い) 動くと悪化。吐き気、光・音・匂いに過敏。前兆(閃輝暗点)を伴うことも 暗く静かな場所で安静に。温めると悪化
群発頭痛 目がえぐられるような激痛 片側の目の周り・こめかみ 目の充血・涙・鼻水を伴う。一定期間(群発期)に集中して発作 市販薬は無効。専門的治療が必要
薬物乱用頭痛 だらだらと続く頭痛 さまざま 鎮痛薬を月10日以上飲んでいる人に。薬が頭痛を悪化させる悪循環 原因薬の整理が必要。受診を
くも膜下出血(危険) 突然の激しい痛み 頭全体 嘔吐・意識障害を伴うことも。命に関わる ためらわず救急車

タイプ別のくわしい解説

それぞれの頭痛について、特徴・原因・治療法をくわしく解説しています。

  • 緊張型頭痛とは?締め付けられる頭痛の原因と治し方
  • 片頭痛とは?前兆・原因・最新の予防治療まで
  • 群発頭痛とは?目の奥がえぐられるように痛む頭痛の対処法

「痛み止めの飲みすぎ」にご注意ください

意外と知られていないのが、「痛み止めを飲みすぎることで起こる頭痛」です。頭痛のたびに市販の鎮痛薬を飲む生活が続くと、脳が痛みに敏感になり、かえって頭痛の日数が増えていきます。

目安として、市販の鎮痛薬を月に15日以上、片頭痛の薬(トリプタン)や複数の成分が入った鎮痛薬を月に10日以上使う状態が3か月以上続いている場合は、この頭痛が疑われます。「薬が効きにくくなってきた」「朝起きたときから頭が痛い」という方は、一度ご相談ください。薬の使い方を見直し、必要に応じて予防薬を使うことで、頭痛の日数を減らせる可能性があります。

頭痛の診断で行うこと

頭痛の診療では、まず問診で痛み方・頻度・随伴症状などを詳しくうかがい、頭痛のタイプを見極めます。危険な頭痛が疑われる場合や、初めての受診では、MRI検査などの画像検査で、脳の病気が隠れていないかを確認します。

「いつもの頭痛」でも、一度は診断を

緊張型頭痛と片頭痛は対処法が反対になることがあり、また両方を併せ持つ方も少なくありません。「自分は緊張型頭痛だと思って温めていたが、実は片頭痛だった」というケースは珍しくありません。

正しい診断がつくと、発作時の対処法だけでなく、頭痛そのものを減らす予防の選択肢が広がります。自己判断で市販薬を飲み続けるより、一度きちんとタイプを見極めることが、頭痛と上手につき合う第一歩です。

よくあるご質問

頭痛くらいで病院に行ってもよいのでしょうか?

もちろんです。「頭痛くらいで」と遠慮される方はとても多いのですが、頭痛は正しい診断がつくと対処法が大きく変わります。繰り返す頭痛や、生活に支障のある頭痛は、我慢せずにご相談ください。

何科を受診すればよいですか?

脳神経内科・脳神経外科・頭痛外来が専門です。危険な頭痛の見極め(必要に応じた画像検査)と、タイプに応じた治療の両方に対応できます。かかりつけの内科で相談し、必要に応じて紹介を受けることもできます。

救急車を呼ぶか迷ったときは?

「今までにない激しい頭痛が突然起きた」「意識がおかしい」「手足が動かない、ろれつが回らない」場合は、迷わず119番してください。迷う場合は、お住まいの地域の救急相談窓口(多くの地域で「#7119」)に電話すると、看護師などが受診の必要性を相談に乗ってくれます。

受診時に何を伝えればよいですか?

痛みの場所・痛み方・頻度・持続時間、伴う症状、飲んでいる薬(市販薬も含めて月に何日飲んでいるか)をお伝えください。スマートフォンのメモやカレンダーに頭痛の日を記録しておくだけでも、とても役立ちます。

「頭痛くらいで受診するなんて」と、ためらっていませんか。

実は、頭痛で受診される方の多くが、同じように長く我慢してこられた方です。そして、正しい診断がついたことで「もっと早く来ればよかった」とおっしゃいます。

当院では、まずじっくりお話をうかがい、あなたの頭痛のタイプを見極めるところから始めます。検査が必要かどうかも、その場でご説明します。

次のうち、ひとつでも当てはまる方は、一度ご相談ください。

  • 市販の痛み止めを、月に10日以上飲んでいる
  • 頭痛で仕事や学校、予定を休んだことがある
  • 自分の頭痛が「緊張型」なのか「片頭痛」なのか、わからない
  • 頭痛の回数や強さが、以前より増えてきた
  • 家族に頭痛持ちの人がいて、自分も同じ症状がある

頭痛が起きた日をカレンダーやスマートフォンにメモしておくと、診察がスムーズです(なくても大丈夫です)。

気になる症状は、お近くのクリニックへご相談ください

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